突然親が倒れた!さぁどうする?

【チームビルディング】親の「介護支援体制」を自分で作る

team-building_image1介護体験談
この記事は約8分で読めます。
スポンサーリンク

介護もビジネスも、一人より組織で対応する方が強い

「あなたのお母さんの容態が急変しました。すぐに病院にきてください」

真夜中、救急車に同乗した介護施設スタッフからの電話です。

 母がくも膜下出血で倒れた4カ月後、父も倒れ入院。容態が安定した母は、その半月後に退院し、施設に入居します。

ですが、入居後わずか1週間で、容態を急変させ、救急搬送されました。

 病院に着くと、医師から「最後に会わせたい人を呼んでください」と言われました。死を覚悟せよ、という意味です。愕然としました。

その後、幸い母は命を取り留め、次第に病状は安定していきます。

ですが、父入院、母再入院という状況になり、緊迫感のある毎日で、精神的にも肉体的にも限界に近づいていた私。 

 しかも診療科目が違う母と父は、入院する病院が分かれたため、それぞれの病院に通う日々。もう手が回らない、猫の手も借りたい、という状況です。

そこで思いついたのが「チームビルディング」

 今度は、介護支援を体制として確立させるために、母・父それぞれの「チームビルディング」を考え、組織として機能させることを目指したのです。

介護支援チームを自分で考えてしまおう

私の仕事経験を応用する

 チームビルディングとは、チーム一丸となってゴールに向かう、その取り組みのこと。狙うは組織パフォーマンスの向上です。そのためには、「メンバーが主体性を持つ」「メンバーの個性を生活かす」「共通の目標・ゴールを明確化し、一致団結して取り組む」などが重要とされています。

 私にはこんな仕事経験があります。

 私はかつて、リクルート在籍時代に、「フロム・エー」「タウンワーク」「とらばーゆ」「ガテン」「はたらいく」という複数求人メディアのクリエイティブ責任者をしていたことがあります。当時の、アルバイト・パート系の全メディアです。

 この辞令を受けた時は、おぉ全メディア!? という不安と同時に、チームビルディングへのチャレンジにわくわく感を持ちました。

 チームビルディングの考え方としては、「タックマンモデル」や「GRIP」あたりが有名でしょうか。

「タックマンモデル」
チームの成長過程を5段階のプロセスと考える理論。
形成期(Forming)/混乱期(Storming)/統一期(Norming)/機能期(Performing)/散会期(Adjourning)
「GRIP」
チームビルディングのチェックポイント。振り返り観点ともなる。
目標(Goal)/規則(Rule)/関係性(Interaction)/手順(Process)

(お伝えしながらすみませんが、これ以上の詳細説明は長くなりますので、すっとばすか、お調べくださいませ)

 こんな立派な考え方がある中、チームビルディング時に私が一番大事にしたのは、実は「報連相(報告・連絡・相談)」です。そう、あの、小学生の時に習った、基礎のキ、です。

 リーダーとして、組織の目標、チーム・メンバーの役割と期待することを伝えるのは大事。個性を尊重し、情報伝達を増やし、コミュニケーションを密に測るのはあたりまえ。大事にしたのは、「なんでも言える空気」とか「メンバーに頼る・まかせる」部分です。

 リーダー・メンバー相互の「報連相」を密にすることを意識した結果、どうなったか。

 メンバーに主体性が生まれ、自走し始めました。例えば、編集全体会議で、全メディアの状況を語り、課題に対する意見を求めたり、相談すると、「自分のチームでないので関係ない」でなく、当事者のようにみんなが、課題のあるチームメンバーを救おうと考え始めたのです。

今風に言うと、「心理的安定性による共創コミュニケーション」ということでしょうか。

 メンバーは「課題を言われる」から「課題をみつける」に変わり、「自ら課題をみつけリーダーに相談する」から「課題をみつけたら対策を考え、リーダーに実行の許可を得る」に変わっていきました。

 そのうち、私の見えない部分で、誰かが困っていたり、リーダーの助けが必要なときには、誰かがさっと私に伝えにきました。そこで考えをのべると、メンバー同士で話し合い、みんなさっと動くようになりました。

今風に言うと、「タックマンモデルでいう機能期」にあたるのでしょうね。

 これを実感できた時の感動は、今でも忘れません。私のチームビルディングにおける成功体験「報連相」。情報伝達を増やしコミュニケーションを密に取ると、お互いを理解し、信頼関係が生まれる。状況が理解できると、メンバーそれぞれが主体的に判断し、自ら動いてくれる。

 この感動的実績を、介護に応用し、「母チーム」「父チーム」体制を確立できないか、と考えてみました。

「母」介護支援チームを考える

まず母対応チームです。

<母介護支援イメージ>
  • 対象メンバー:私、姉、母の妹である叔母二人
  • 打ち手:LINEグループを作り、こまめに「報連相」を実施

 打ち手はLINEグループを作っただけなのですが、母と父の病状共有、私の状況やスケジュール共有、お願いや悩んでいることなど、報連相を意識して発信。状況をこまめに共有することで、何をしたらいいか・どこまでしていいかなどの判断をしてもらいやすい状況を作りました。

「報連相」を徹底し、メンバーが自走できる環境を作る

 状況を理解してくれた叔母たちは、私を気遣い、相談にのってくれました。叔母同士で相談し、母の見舞いは引き受けると言ってくれ、父の入院に注力する環境を作ってくれました。

 また、私の食事の心配をして夕食に呼んでくれたり、差し入れをくれたり、私の体調が悪い時には我が家に泊まって看病をしてくれたりもしました。

 叔母曰く、このありがたい現状について、私はぽろっと、「報連相を意識して情報を共有すると、みんなの協力を得られる。報連相が大事」と伝えたようです。

 気づくと叔母は、縁遠い親族への情報共有を、率先して行ってくれていました。叔母自身が報連相を意識し、自走してくれていたのです。

 そして、遠方でなかなか対応できない姉は、私の面倒を見てくれる叔母たちに向け、感謝の旨をしきりに伝えてくれました。

 年配親族は、「年上の人へ配慮する」という意識が我々世代よりも高いのでしょう。長女が自ら、状況を把握し感謝の意を発信する、というのはとても意味深かったようで、これによりチームの信頼関係が増していきました。

「父」介護支援チームを考える

 そして父対応チームです。

<父介護支援イメージ>
  • 対象メンバー:私、姉、ケアマネージャー、高齢者向け食事宅配業者、訪問看護師、デイサービススタッフ
  • 打ち手:悩みを相談してプランを立ててもらう

 入院して2カ月を迎える頃には、父の容態も安定し、退院を視野に入れた外出訓練を行うようになっていました。ですが私は、退院して母のいない家に戻ったら、また病気がぶり返すのではないかと不安に思っていました。

そこで、退院後の生活の不安に関しては、専門家の方に頼ることを決意。

 父の病院に、地域包括センタースタッフ、ケアマネージャーを呼び、父と私と担当看護師を加え、五者面談を実施しました。

専門家に相談する

私は正直に、退院後の父の生活の不安を伝えました。

「父の退院後の生活で、特に心配していることが3つあります。①食事②薬③コミュニケーション(孤独を感じさせない)です」

 すると、皆さんプロの目線で対応を考え、率先して意見・アイディアを出してくれました。

 ここで私は、デイサービスは、食事・入浴介助だけでなく、コミュニケーション目的でも利用できること、薬やバイタルチェックとして訪問看護ステーションを利用するといいことなどを知りました。

チームビルディング_母父支援チームイメージ
▲母・父介護支援チームイメージ

父の意見も聞く

 ですが、話を進めていくと、父が、介護サービスを利用することに抵抗がある発言をし始めました。環境の変化が嫌なのか、プライドもあるかもしれません。

この発言を重視して、環境に慣れることを重視し、利用頻度は下げることにしました。

専門家にはお金がかかる

 また介護を含め、外部サービスを利用するには料金がかかります。それぞれ金額を伺い、頻度がみえてきたところで、大まかに計算。母とあわせて、月あたりの費用を概算で算出し、出費可能範囲を超えていないか確認しながら決めていきました。

そして相談の結果、3つの外部サービスを利用することを決めました。

退院後の父の介護サービス利用イメージ

 私の課題感を専門家のみなさんに伝え、父の状態・費用などを加味しながら出した結論は以下です。

<父退院後の外部サービス利用イメージ>
①安定した食事提供を目的とした「高齢者向け食事宅配」をほぼ毎日
②薬の確認、バイタルチェック、世間話を目的とした「訪問看護」を週一回
③人との交流を目的とした「デイサービス」を週一回
父の退院後の、外部サービス決定プロセス詳細・費用概算等については【ロジカルシンキング】介護サービス利用を設計する(費用概算付き)を参照

 実は、父の病院からは、そろそろ退院を視野に入れてはどうかと促されていましたが、母の施設引越し段取りや、父の退院後の環境が整うまで時間が欲しい、と差し戻している段階でした。

 ここまで体制が整い、退院後の父の生活イメージが湧いたところで、父の担当医師に報告。やっと、父を迎え入れる環境を整えることができそうだ、という旨を伝えることができました。

 あとは、母の施設再入居と、父退院時に、設計した介護サービスを計画通りに運用するだけです。

  …と思った矢先、今度は私の体調悪化がピークを迎えます。まだまだ私の生活は安定しませんでしたーーーつづく。

まとめ

  • 介護負担は精神的にも肉体的にも想像以上
  • 早めに「ひとりじゃ無理」と割り切って、協力してくれる人を募り「チームビルディング」を実施するのがベスト
  • 「報連相(報告・連絡・相談)」を意識し、意思・状況をこまめに伝達することで、メンバーが自走(自分で判断し、行動する)できる環境を作る
  • 人は「何をしたいか」「何に困っているか」がわかると、協力してくれます(時にはプロに頼ってお金も使いましょう)
次章、介護主体者(私)の体調悪化に対する対応についてはこちら。【問題解決思考】主介護者(私)の体調悪化に対処する
タイトルとURLをコピーしました