突然親が倒れた!さぁどうする?

【問題解決思考】主介護者(私)の体調悪化に対処する

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介護もビジネスも、問題が起きたら悲嘆にとどまらず、解決に向けてアクションする

経験のない頭痛。痛みがおさまらないーーー

母がくも膜下で倒れて4カ月後、今度は父も倒れ入院。

 その後安定した母は、一度施設に移りましたが、容態を急変させ救急搬送、再入院することになりました。夜中に呼び出しを受け、一時期は死を覚悟してほしいと、医師から言われたほど。

 しばらくすると、母も父も安定し、順調に回復していくのですが、このあたりから私の体調がおかしくなりました。

 目の前で母が倒れたショック、いつ急変して呼び出しを受けるかわからないという精神的緊張、父の不安定な行動に対するトラウマ、父母それぞれの入院対応。加えて仕事も忙しく、精神的にも肉体的にも満身創痍。

 このような極度のストレスは、頭痛となってあらわれました。経験のないくらい酷い頭痛。次第に不眠となり、食欲もなくなり、もう食べ物の味もわからない。

 私が倒れると父母の対応をする人がいなくなる、というプレッシャーが、ますます体調を悪化させました。

このままじゃまずい!!!

 何か打ち手を打たないと、取り返しがつかなくなる。課題を捉え、打ち手は早めに打つべきだ、と考えた自分。問題解決思考で対処法を考えます。

問題解決思考で体調悪化をとらえる

私の仕事経験を応用する

私にはこんな仕事経験があります。

 私はリクルートという会社に20年勤めて、その後独立しました。在籍中は「こんな会社やめてやる!」とよく思いましたが笑、いざ卒業してみると、良い会社だったと思うことが何度もあります。中でも一番よく思うのが、考え方のベースが「問題解決思考」であることです。

 問題解決思考とは、「問題を特定し、原因を究明し、解決する思考」ということですが、大事なのは以下3つだと言われています。

  • 前向きに問題に取り組む姿勢・スタンス
  • 論理的に考える力・スキル
  • 従来の枠組みにとらわれない思考・発想

 リクルートを卒業して、いろんな会社の人と会うようになってから「何か問題が起きると、すぐに誰の責任?という話になる」「問題の起こしたのは明らかなのに、すぐごまかす」「誰も問題を解決しようとしない」という話を何度も耳にします。

 リクルートは問題が起きたら、「誰のせい?」でなく「何が原因?」と考えます。「人は間違うもの、仕組みが問題」という考え方です。すぐに問題の原因を仮定し、打ち手を考案しにかかろうとみんなが動きます。

 私が新人の時は、先輩に打ち手の考案をうながされ、実行する機会と失敗する場を与えてもらいました。ビジネスが厳しい昨今では難しいですよね。今でもラッキーだったとよく思います。

 失敗をしても責められない。そうすると、失敗を隠す必要がありません。自分の担当範囲内で起きた問題に対して、原因を特定し解決策を提案すると、先輩たちは褒めてくれました。「おまえのせいだ」と言われたことはありません。

 今までの枠組みを壊して、新たな視点で解決策を提案をしてみると、先輩たちはさらに褒めてくれました。これが嬉しかったので、枠組みを取り払う発想をするのが楽しくなり、ゼロベース思考が自然と身に付いてしまいました。これがあたりまえだと思っていたのです。

 問題に対し、「問題解決思考」で取り組むのではでなく、「誰かのせいにする」ことから始まるケースが普通にあることに、本当に驚きました。え!? 自分のせいにされることがあるの? そんなんじゃ、隠そうとするに決まってるじゃん、という感じです。

 今では、わたしにとって「問題解決思考」がもう考え方のベース。プライベートにおいても、くよくよしてもしかたがないので(それでもくよくよしますが)、原因を特定し解決策を図ろうという考え方に切り替わります。

 「頭痛」に対しても同様。この経験を活かし、人生で経験したことのない初めての「酷い頭痛」に対応していきます。

(「問題解決思考」は思い入れが強いので、いくつかおすすめの本を紹介しておきます↓)

Bitly
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フレームワークを活用し、体調悪化を整理する

まずはピラミッドストラクチャーを使って「課題」「結論」「理由」の整理から。

「ピラミッドストラクチャー 」とは、課題・結論・根拠の一貫性を図式化したもの。主張と根拠を整理するのに効果的とされています。頭痛の「原因追及」には、すでに考えていた自分の仮説を検証したいという意図もあって、(ロジックツリーでなく)ピラミッドストラクチャー を使用しました。

<課題>

「頭痛がおさまらない」

<結論>

「極度のストレス」

<理由>

  • 仕事が忙しく、PC利用時間が長い。結果、首こり・肩こり・背中の痛み・目の疲れがひどい
  • 頭痛になれていないので、痛みに過敏。自分にあった対処法がわからない。
  • 両親ともに入院という状況に対する気疲れ、精神的緊張。精神不安。
▲頭痛「原因追及」ピラミッドストラクチャー

考えられる打ち手を片っ端から試してみる

 ここまで整理すると、頭痛の原因は「身体的要因」「神経的要因」「精神的要因」があることがみえてきました。だったら!と、三方向から考えられる打ち手を、ひとつひとつ実行していくことにします。

(ビジネスにおいては、効率を重視し、複数考案された打ち手があれば取捨選択し、効果が高いものに絞って実行すると思いますが…頭痛に関しては、考えられる打ち手を片っ端からやりましたー)

「身体的」打ち手①:整形外科受診

 最初に思いついた原因として、PCの使いすぎによる首こりからくる頭痛。過去にも受診経験があります。年末年始の仕事がピークになる時期に毎年悪化するほど。これが原因かもと、まずは整形外科に行きました。

今回の事情を説明し、とりあえず前回と同じ薬を処方してもらい、しばらく様子見。

ですが、頭痛はおさまりません。

「身体的」打ち手②:整体・マッサージ

 内服薬と並行して、外からのケアも!と考えた私は、いくつかの整体・マッサージを受けました。受けながら会話した、こりの原因や、体の動かし方、注意すべき姿勢などの内容は、とても参考になりました。そして、受けている間は、とても気持ちがいい。

ですが、頭痛はおさまりません。外からのケアは、頭痛の根本解決にはならない。

知ってたけど、リラックスしたいから行ったんだ、と自己肯定。次の打ち手に移ります。

「身体的」打ち手③:自分のまくらをオーダーメイド

 頭痛となる原因はできるだけ排除したい、という思いから、自分専用のまくらを作ろうと考えた自分。

 今までまくらは、市販のものをいくつか買って試したのですが、どうもしっくりこず、慢性的肩こりを抱えていました。

 ここは思い切って、贅沢に自分への投資!と、まくらのオーダーメイドを決断。すぐさま行動に移し、品質もちょっといいやつにしました。お値段トータル約5万円。思い切りました。

結果、こりが軽減されたので、満足です…が、頭痛自体はおさまりません。

「神経的」打ち手④:脳神経外科受診

 ここまできて、筋肉系が主原因じゃないようだ、と考え、今度は「脳神経外科」に行きました。いわゆる「頭痛外来」です。

 最近は、母の脳、父の脳も見てもらっているので、幸か不幸か脳に対する理解が深い自分。

 脳CTを撮影してもらい、問題がないことがわかってホッ。薬を処方してもらい、飲み続けてみました。

 ですが、このあたりの薬に慣れていない私は、副作用が出て、だるさから動けなくなりました。

この副作用にますます不安になり、精神的にも辛くなっていきます。

「精神的」打ち手⑤:心療内科受診

いよいよ自分の内面に向き合うことに。次は、心療内科に行きました。

 私は、心療内科へ行くことに対する抵抗が、あまりないタイプ。なぜなら、心の病は、ひどくなるほど回復が難しくなるため、早めに受診したほうがいいと考えていること。また、自分も「キャリアカウンセラー」「キャリアコンサルタント」資格保持者であり、カウンセリングの考え方を把握しているからです。

素早く行って「利用」し、さっさと回復に向かいたいと割り切りました。

 行った病院は、臨床心理士のカウンセリングを受け、その後医師の診断を受ける、という流れ。

余談ですが、カウンセリングで重要なのは、最初の「信頼関係構築」だと言われています。

 多くのケースでは、口にすることも辛く、人には言いたくないことを抱えているからカウンセリングを受けるわけですが、「あんただれ?」状態で、カウンセラーに話すには抵抗がある。

 カウンセラーは、話してもいいと思ってもらわないと始まらない、信頼を得ないと話が聞けず先に進めない、と考えるわけです(と、私は学びました)。

 ですが、このからくりを知っている私は、せっかく来たんだから〜という思いで、信頼関係が生まれる前から、ぶわ〜〜っと話をしました。

 正直、受けたカウンセラーの会話中の相槌は、何を言っているのか聞き取れませんでした。

 信頼関係どころじゃないなーと思いつつ、それでも気にせず、ぶわ〜〜〜っと話をし続けました。ここで私は「カウンセラーは滑舌が大事」と学んだほどです。

 カウンセリングを受けながら、カウンセラーとして学ぶ。転んでもただでは起きない、すべての経験から学んでやる!精神です。

話がそれました。

 カウンセリングを受けた後、医師の診察を受けました。「脳神経外科」に通ったこと、そして、薬の副作用でだるさがひどかったことを話し、別の薬を処方してもらいました。加えて、心理テストも受けました。

結果、感情を吐き出したことで、気分的にはすっきりしました。

ですが、この薬が合わなかった。飲んですぐに嘔吐しました。

継続する打ち手を選択する

ここまでの打ち手を実行するのに約1カ月。今後どうしようかと一考。

経験したことを踏まえて、「脳神経外科」に通院することに決めました。

理由は以下です。

<「整形外科」受診を辞めた理由>

 PCの使いすぎである首こりは、もう数カ月経っているので改善してもいい時期。主原因は他にあると考え、頭痛原因からははずしてよさそう。

<「心療内科」受診を辞めた理由>

 母・父の入退院に対する対策は計画しおわったタイミングだったので、実行して、生活が安定すれば、自分の精神は落ち着きそう。また心理テストも問題がなかったことをふまえ、つらくなったらまた通うことにする、と決断。病院にもその旨を報告し、一旦受診終了。

ざっくり結論を出して、再び「脳神経外科」へ。

 原因がわからず他の診療科目も受けたこと、処方された薬に合う・合わないがあったので相談したいことなどをいろいろ話し、新たな薬を処方してもらい様子を見る、という結論に至りました。

問題解決思考の意味

 私がここでお伝えしたいのは、「原因がわからなかったら複数の診療科目を受診しよう」ということではありません。

 困ったことが起きたので、「原因」を仮説立て、考えられる「打ち手」を実行した、ということです。

 自分の体調悪化に対しても「問題解決思考」でとらえたんかい!とつっこみを入れるくらいの、軽い気分で読んでいただけたら幸いです。

 ちなみに頭痛は…薬の処方を継続しながら、介護サービス利用により父の退院生活が安定していくと、私の精神も安定してきたせいか、軽減されていきました。

まとめ

  • つらい時ほど、この状態のままじゃまずい!という「負のパワー」が発揮されるタイミング
  • その「負のパワー」を「問題解決思考」で前向きにとらえ、解決への行動力に結びつけられると強い
  • 「原因」がとらえられたら、思いつくままに「解決策」を洗い出してみましょう
  • 解決策を出し、全部実行できないという場合は取捨選択を
  • その後は行動するのみ。人は、悩んでいる状態だとなかなか動けないが、(無理矢理でも)打ち手が見えると、行動に結びつきやすい
  • 解決へのアクションを何かしら起こせば、そのうち解決できるはず。動いていればダイジョーブ、と前向き&気楽に考えることも時には必要
次章、詳しい介護サービス設計&実行プロセスはこちら。【ロジカルシンキング】親の介護サービスを設計する(費用概算付き)
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